プロローグ



「鈴木さんてモテますよね!」

「どこが?」

「だって会社で鈴木さんのこと嫌ってる人いないですもん。」

「そんなのモテるって言わないだろ。」

「そうですかー?でも絶対モテますよ!」

「なんだよそれ?」

会社帰りに駅に向かう途中、後輩の恵子と一緒になった。

恵子は色白で細身。

ややタレ目気味の甘い顔立ちで、割と可愛いので社内でも人気がある。

いつもニコニコしていて感じも良いので、もちろん俺も恵子には好意は持っている。

ただマイペースというか少し変わった感性を持っていて、

急に意味のわからないことを言い出すこともあるが…。



「あっ。何か靴に入った。ちょっと待ってください。」

そう言って俺のスーツの袖を掴んだ。

こんなことくらいでとバカにされるかもしれないが、正直ドキっとした。

恵子は俺のことをモテると言うが、実際はそんなことはない。

男女問わず友達は多いけどそれだけ。

いわゆる【いい人】で終わるタイプだ。

ここ2年くらいSEXもしていない。

そんな人の気も知らず、恵子は人ごみの中で立ち止まり片方の靴を脱いだ。

「おいおい、道の端っこでやれよ。」

「そうでしたね。すみません。あっ、でも取れました!」

靴を履こうと前かがみになった瞬間、恵子の胸元がガラ空きになった。

細身の割りに胸は大きいな。

この体を舐めまわしてるんだな…。この子の彼氏は。

靴を履き終わった恵子はニッコリとしながら俺の顔を見た。

マジマジと胸元を見ていたので気づかれたかと一瞬ヒヤリとしたが、全く気づいた様子はなかった。

「そう。じゃあ行こうか。」

「はい!」

何だよ、その笑顔は?

俺のこと好きなのかなって一瞬勘違いしそうになるだろ…。

「何の話をしてたんでしたっけ?」

「さあ?」

「あ。鈴木さんがモテるって話ですよ!」

「ああ…。でもモテないから。本当に。」

「そうですかねー?私は鈴木さん、いいと思いますよ。」

「はいはい、そりゃどうもー。」

「本当ですって。そういえば鈴木さんて血液型は…」



本当に俺のことをいいと思うんだったら彼氏と別れて俺と付き合えよ。

いや、別れなくてもいいから、せめてSEXさせてくれよ。

どうせ調子に乗ってホテルに誘ったら断られて会社中の笑い者にされるのがオチだ。

結局お前の言ってる「いい」ってのは「感じがいい人」だろ。

男としてじゃないんだろ。

そういうのはもういいんだよ。

【いい人】って思われたから何だ?

人間の一生ってのは衣食住、どれをとっても全ては子孫を残すためだろう?

つまり綺麗事を抜きにして言えばSEXのためだ。

たとえ女たちに嫌われようと、SEXできる奴が一番優れてるんだ。

死ぬまでに多くの女とSEXをした奴が、天命を全うしたと言えるんだ。

俺だってこのまま終わるつもりはない。

やろうと思えば恵子だって…。

少しずつ自分の中で女に対する悪意が芽生え始めていることに、俺はまだ気づいていなかった。



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